MIMO 無線LAN BUFFALO より製品化

本日 BUFFALO からMIMO技術を使った無線LANの新製品発表がありました。おそらく先行して発売していたプラネックスのMIMO無線LANに継いで2台目の製品化だと思いますが、驚くべき点はその価格です。プラネックス製が親機と子機それぞれ 128,000円 と 19,800円 だったのに対し BUFFALO 製は 30,795円 と 14,490円 です。この値段で108Mbpsなら買う人もいるのではないでしょうか。

ただ、それぞれ独自技術のMIMO なので、それぞれのMIMO 同士の互換性はないと思います。
次期規格 IEEE 802.11n の標準化動向が気になるところです。

MIMOについての詳細は以下

MIMO(マイモ、ミモ、エムアイエムオー)とは Multi Input Multi Output の略で、多入力多出力システムのことを言う。一般的には、複数送信アンテナ対複数受信アンテナのシステムのことを指すことが多いが、アンテナに限らず入出力ブランチになるものが複数あれば良いので、広義の意味でのMIMOの範囲は広い。
一般に無線通信では、同じ周波数に違う信号の電波があると混信が起きてしまい、正常に通信が出来ない。しかし、逆に「混信の状態」が分かってしまえば、そこから元の信号をに復元することが可能なのだ。その「混信の状態」というのを、専門用語で CSI (Channel State Information) やチャネル応答行列、チャネル行列、チャネル情報などという。2×2のMIMOであれば2行2列の行列として現すことが出来る。(どうやってCSIを得るか、またCSIがない状態でどうMIMO通信を行うかなどの研究課題もあるが。)こうやって行列で表した CSI を数学的処理(SVD=Singular Value Decomposition)をほどこすことによって、仮想的に通信路が複数形成され、ここに独立した情報をのせることによって、1対1で行っていた通信よりはるかに効率よく(S/N比をあげる努力をすることなく)高スループットな通信を行うことが可能となる。

以上がMIMOの基本的な考え方であるが、これらのことについてさらに詳細を知りたい場合は、以下の本が参考になる。

4621073648.jpg ディジタル移動通信の電波伝搬基礎
著者:唐沢 好男
出版:コロナ社
ISBN: 4339007528

日本国内においてMIMO研究が最も盛んな大学研究室の1つである電気通信大学電子工学科の唐沢好男教授の著書。

4621073648.jpg 新世代ワイヤレス技術
編集:中嶋 信生
出版:コロナ社
ISBN: 4621073648

これも唐沢教授が 第3章MIMO を担当執筆している。おそらく現在MIMOに関する日本語の専門書としては唯一の本ではないだろうか。



投稿者:mimiham : 2005年02月04日 23:01 : 気になったニュース ,

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