久多良木社長とものづくり道
プレイステーションで有名なソニー・コンピューター・エンターテイメント(SCE)の久多良木健社長は、うちの大学の卒業生でもあるが、彼はまたソニーの異端児とも呼ばれている。SCEが出来る前、AV機器メーカーとしてのプライドもあったソニーとして、「ゲーム」や「おもちゃ」を作ることに対して、賛成する人はほとんどいなかったらしい。それが今ではそのゲーム機が、ソニーの利益の大半を占めるまでに成長し、久多良木社長はソニー(株)の副社長にまでのし上がった。そこには、社長の熱い情熱があったに他ならないが、またもう一人重要な人物がいた。それは、唯一のプレステ賛成者であった大賀会長の存在だった。大賀会長がGOサインを出さなければ、おそらくプレステはこの世に存在せず、企画止まりだったかもしれない。
夢、あるいは非常識だと思われる「着想」が実現するためには、あくまでそれをやり遂げようという執念をもった人間と、その非常識な夢をかなえさせてやろうという「大物」が必要なのである。
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