ドコモ 低速移動時で1Gbpsを実現!
ドコモが低速移動時で下り 1Gbps の信号伝送実験に成功しました。これはすごいです。光ファイバー(FTTH)でさえ 100Mbps なのに、さらにその10倍をしかも無線伝送してしまったというんです。これは画期的です。携帯で 1Gbps なんて、まだまだ先かと思ったら、意外と近い将来実現しそうですね。
技術的な詳細は以下(専門用語多数)
まず基本的な技術として VSF-Spread OFDM(可変拡散率-拡散直交周波数・符号分割多重)と MIMO(Multiple-Input-Multiple-Output) が使われています。前者は OFDM の拡張版だと思いますが、よく知りません。(以前これに関する講演を聞いたのだがよく理解できなかった…)
MIMO はもろに私の研究分野です。これは、同一周波数で同時に複数のアンテナから別々の情報を送信し、それを複数のアンテナで受信して、信号を分離する技術です。なぜこれで混信せず、ちゃんと分離できるかは、数学的に証明できます(固有値解析を使用)。おもしろいことに、混信しているほど特性はいいんですよ(チェネル特性(混信状態)が分かることが条件)
帯域は 100MHz です。地上ディジタル放送が 6MHz なので、かなり広帯域ですね。
シンボル判定には最尤判定法+独自技術を使ってます。ここの処理の簡易化がブレークスルーだったようです。
おそらく専門外の人にとっては、暗号のような言葉ばかりだと思いますが、うちの研究室ではストレートど真ん中の内容です。これらのことについて基本から詳しく知りたいという方には、おすすめの本があります。
ディジタル移動通信の電波伝搬基礎
著者:唐沢 好男
出版:コロナ社 ISBN: 4339007528
電波伝搬の基礎から分かりやすく解説されています。電波伝搬の技術者を目指すなら必須!
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